株式会社一燈 エンジニアブログ

秋葉原のWebエンジニア集団、株式会社 一燈のブログです。PHPやjavascriptに関するTipsや活動報告を掲載しています。

新連載 近藤が斬る! 其の一

▼ITとはどんな世界だろうか。私がIT業界に初めて足を踏み入れる前に、そんな想像をしたことがある。いや、誰もが想像するだろう。自分が働く世界なのだ、考えて当然である。考えないということは、きっとあまりに興味がないか、小さな頃からずっと当たり前のようにそばにあって、鈍感になってしまった人間だけだろう。私の場合は、就職活動をしていたおり、IT業界の紹介があって、あまり深く考えずに飛び込んだ(ちょっと間抜けな選択の仕方だが、この際はスルーしてほしい)だからといって、面接を受ける前、そして明日から出勤だと布団に潜って眠るとき、なにも想像しなかったわけではない。

▼とある美容室で、間を取り繕うためのちょっとした会話をする。その最もポピュラーな内容の一つが「現在の仕事について」だ。決まって私がITだというと、次のような回答が待ち受けている。「頭がいいんですね」「給料がよさそう」「しゃきっとしたスーツを着て仕事してそう」。はっきりいうと、的外れである。しかしこれが、IT業界へ足を踏み入れにくさの原因の一つにもなっている。

▼イメージの格差というのは、どの業界でもあるものだ。つまり、入社する前と入社後で、いわゆるこんなイメージではなかった、と口にすることに近いかもしれない。私はよく、同業者との間で、外からみたITのイメージと内側からみたITのイメージがかけ離れている、という話をする。曰く「ITは想像と現実のギャップが激しい」。具体的になにが激しいのか……そんな話をこれからしていこうと思う。私もまだ二年ばかり働いている程度だが、思った以上にその格差に苦しんでいたこともあった。

▼まず一つ、話をしよう。美容師さんの「頭がいい」というイメージだ。結論からいうと、そんなことはない。このイメージはおそらく、小さな箱の中に複雑で繊細な技術が放り込まれているコンピュータ、というブラックボックスに向き合う業界であるからか、または雑誌か何かで最先端の技術、という名目で取り上げられたりしているから、このようなイメージがつくのかもしれない。要は「よくわからんけどすげーもんつくってる人たち」の業界、という曖昧で不明確で、だからこそ考えるのも億劫になってしまうからであると私は考える。

▼手元にiPhoneAndroidを持っているだろうか。あるいはWindowsがあるかもしれない。最近ではmacユーザも増えてきた。その小さな小さな箱の中で、何よりも正確に計算し、必要な情報を探し出してきてくれ、時には異国の人間との社交場に様変わりすることさえある。そんな技術に、頭がいい、というイメージを持つのはおかしなことではない。難しそう。どんな仕組みで動いてるんだろう……でもこの多くは簡単に解決できるのである。ピアノの習い事と同じである。十本の指を使って、細い鍵盤を巧みに操る……私からすれば、こちらのほうがよっぽど難易度がたかそうに見える。あいつの頭の中はどうなってんだ、と解剖したくなることさえある。でも、周りを見渡してみると、ピアノを弾ける人間はたくさんいる。もちろん技術に差はあるだろう。けれど、彼らは、弾けているのだ。ITも同じである。皆々が日夜触れている、あの便利な箱の中身はピアノのお稽古のように、習えばだれでも紐解けるものなのだ。決して一握りの人間のみが触れることのできるものなどではない。「頭がいい」。そんなイメージは必要ない。馬鹿げているといってもいいだろう。そんな考えは入社前に置いてくることだ。必要なのは、踏み込むための決断と勇気という原始的なものでいいのだ。

▼さて、少し話が長くなってしまったが、このようにITも勘違いされやすい業界の一つかと、私は考えている。それはあるいは、時には内に入ることでマイナスの側面を知ってしまった、ということもあるだろう。安心してほしい。そもそも仕事をするというのは、多くの人にとってマイナスなイメージが多いだろう……少々脱線してしまったが、この場を設けて、少しでもITの「内側」を知ってもらえると嬉しく思う。

筆者のプロフィール。

近藤勇

1989年(平成元年)、神奈川県生まれ。大学の建築学科を中退後、若干のフリーター生活を経てIT業界へ。IT営業を経たのち、もっと開発に近い現場での経験を求め、同じIT業界で転職。エンジニアではないが、営業経験を生かし、営業と開発の中間でディレクション業務をこなし、IT業界の抱える問題点について日夜研究中。好きなものは牛乳。