株式会社一燈 エンジニアブログ

秋葉原のWebエンジニア集団、株式会社 一燈のブログです。PHPやjavascriptに関するTipsや活動報告を掲載しています。

こんすけが斬る! 其の六

▼システムは巨大だ。それは例えばビルや高層マンション、ショッピングモール、多目的施設のように大きく、機能が複雑で、多くの人々が利用する。ただ利用するだけではなく、快適で、使いやすく、できれば目でも楽しめるものであればなおいいだろう。

▼建設現場では、多くの人間が動員される。現場で主な作業を担当する職人を始め、全体工程や品質を管理する施工管理、各設備を担当する設備会社、建設材料の調達先、それらを運ぶ運送業者……多くの人間、職種、専門家が出入りしている。

▼システムもそうだ。営業を始め、全体を管理するプロジェクトマネージャー、システムの設計者、実作業者のエンジニアとそのリーダー、その品質を管理する部署……企業によってどのような仕組みになっているかは様々だが(例えば、営業が全体の進行管理まで携わっていることもある)、技術も知識も経験も、性格から習慣まで違う人間が寄せ集まってシステムを作り上げる。

▼当然、そこには密な連携が必須となる。連携とは、情報のやりとりである。システムは各機能やインフラ、デザイン、すべてが並行して作業ができる。しかし、それらは独立しているわけではなく、相互は綿密な関係性が保たれなければならない。デザインも機能に合わせてボタンや遷移を考えなければならないし、複数の機能を利用して成り立つ機能もある。データの構造もそれに合わせて構築しなければならない。

▼にもかかわらず、システムはその巨大さが、全体の工程がを把握、数値化しづらいのだ。細々とした理由は述べないが、単純な理由としては、システムは三次元的であるが、私たちが覗き込むPCやスマホの画面は二次元的である、ということも関係しているが挙げられる。

▼高層ビルやマンションのように、視覚的に、触覚的に、その存在を把握できないというのはかなりアドバンテージのハンディキャップである。つまり、より専門的な知識と考え方の確立、技術、そして連携が必要だ。視覚を奪われた暗闇を打破するために生まれた蝋燭や行灯のように、我々は進化しなければならないのだ。

▼私はこの業界に入って、正解だと考えている。それは特に若いうちに培っておきたい経験が多く含まれる、良質であり、そして悪質でもある環境があるからだ。その最たる理由が、上記のアドバンテージのハンディキャップによるところが大きいだろう。ITは過酷である。水や食物が豊富な環境で生きることよりも、バッドランズや砂漠のように水も食料も限られている世界で生きる方がより工夫や知恵を生かさなければならない。

▼私はエンジニアではないので、あくまで管理者としての立場から、ITで培われる技術、必要となる技術をお伝えしよう。

筆者のプロフィール。
こんすけ

1989年(平成元年)、神奈川県生まれ。大学の建築学科を中退後、若干のフリーター生活を経てIT業界へ。IT営業を経たのち、もっと開発に近い現場での経験を求め、同じIT業界で転職。エンジニアではないが、営業経験を生かし、営業と開発の中間でディレクション業務をこなし、IT業界の抱える問題点について日夜研究中。好きなものは牛乳。