株式会社一燈 エンジニアブログ

秋葉原のWebエンジニア集団、株式会社 一燈のブログです。PHPやjavascriptに関するTipsや活動報告を掲載しています。

こんすけが斬る! 其の八

▼究極的な意味で、管理とは制御であり、同時に保守的で、かつ非常に攻撃的な側面を持つ。管理する、ということは、例えば家畜を決められた敷地から出ないように、あるいは出さないように檻を作ることに似ている。決められた敷地内で家畜が増え、様々な要因からキャパシティオーバと認められた場合、家畜を別の敷地へと移動させるか、最悪殺処分も検討し、決定すれば無慈悲に実行しなければならない。

▼閑話だが、技術者がただのプログラマとして一生を終えることはあまりない。早ければ20代、多くが30代・40代で徐々に実装やテスト、導入などの具体的にソフトウェアを構築・配備する、いわゆる「下流」と呼ばれる工程から脱却し、ソフトウェアの要件定義・設計・分析を行う「上流」へとキャリアを進める。

▼ものづくりは、何も実際に自分の手を動かして材料や部品を組み合わせて実物を作るだけではない。実物を作るために、アイディアを元に想像し、想像を実現させるために情報を集め、想像を現実のものとして実現できるか検討し、判断を下すこともまた、ものづくりだ。むしろ、それこそものづくりの本質に近い部分だろうと思う。

▼作るものが巨大化すればするほど、動員する工程も人間も増え、複雑化する。複雑化すれば役割が増え、何もないところから想像して書き起こす「maker」側と、ただ言われたことを実行して手を動かす「worker」側がはっきりとした境界線で区切られてしまう。IT業界はそれが顕著である。それほど難しいのだ。

▼複雑化したものは、それぞれをばらして綺麗に整備しなければならない。複雑化し、役割が増えるということは、役割ごとの段階で管理が必要になる。そして、その役割ごとの間には、コミュニケーションが必ず発生する。さらには下流から上流に向けて、徐々にステップアップすればするほど、その下に位置する役割への影響が比例して大きくなるため、幅広くより難易度の高い管理が求められる。なので、プログラマやテスタからキャリアを始める人も、管理をする、ということを常に意識した方がいいだろう。

▼自分は言われたことをやっていればいい……プログラマなら、まずは実装のレベルを上げることが第一である。最初こそそれでもいいが、少しずつ管理にも意識をしてほしく思う。まずは自己管理からでもいい。管理能力は、意識し、欠点を見つけ、いらないものをそぎ落とし、徐々に身軽にしていく工程で伸びる力であるのだ。一朝一夕でマスタできるものではなく、経験則からの連想や、削ぎ落とす過程で得た知識が重要となる場合がほとんどなのだ。

筆者のプロフィール。
こんすけ

1989年(平成元年)、神奈川県生まれ。大学の建築学科を中退後、若干のフリーター生活を経てIT業界へ。IT営業を経たのち、もっと開発に近い現場での経験を求め、同じIT業界で転職。エンジニアではないが、営業経験を生かし、営業と開発の中間でディレクション業務をこなし、IT業界の抱える問題点について日夜研究中。好きなものは牛乳。