株式会社一燈 エンジニアブログ

秋葉原のWebエンジニア集団、株式会社 一燈のブログです。PHPやjavascriptに関するTipsや活動報告を掲載しています。

こんすけが斬る! 其の十

▼長らくご無沙汰していたので、自分が何をここまで執筆してきたのか、ふと振り返ってみた。と、まあ「やってしまったな」なんて、過去の自分を思い出して赤面した経験を持つ方は多いだろう。いまの私がそうだ。

▼このコラムの目的は、これからIT業界に入る、あるいはやっていくための人に向けて書いているものだ。IT業界ってなに? どんなところ? どんな風にこれから立ち回っていけばいい? 正直、模範的な回答はしたくないと思った。少しだけひねくれて、少しだけ穿った捉え方で意見を述べる。本当はもう少し実用性のある、言い方を変えれば中身がともなって、今すぐ実践できるレベルの話までしたいのだが、個人的にはそんなところをここで話す必要はないと考える。

▼向き合うことの重要さという言葉を、耳にタコが、あるいは鬱陶しいほど聞いている方も多いだろう。私もはっきりいうと苦手な言葉の組み合わせだが、こいつが意外と侮れない。

▼何と向き合うのか。ただ向き合っても、意味がない。意味がないし、それだけでは価値もなければ道しるべもそこにはなくて、見合いの場で最初の話題を探すようなもどかしさと不安、そして苛立ちを生むだけだ。向き合え向き合え。そんな風にしか言われないから混乱する。私ならこういうだろう。

めんどくさいと思ったら、あとで怒られないように目をそらさず向い合え。

▼前回までの9回を、私は改めて読んで改めて思う。「この業界、めんどくさい」。何もこの業界だけがというわけではないだろうが、そんなことを抜きにしてもめんどくさい。でも、だからこそ、めんどくさいと向い合え。めんどくさいことは、大抵放っておけばさらにめんどくさいことを呼び、誰かに迷惑をかけ、頼んでもいないのにその原因(自分)を突き止められるという最悪のめんどくささにまで発展する。その終点で待っているのは「怒られる」という究極の一択だ。上司から怒られる、お客さんから怒られる。あるいはその両方から。怒られることは、いやなことだ。最悪なことで、神経をすり減らし、精神を引き裂かれる。だからこそ、怒られないために面倒臭いことから目をそらさずに向かい合い、いますぐに考え、対処する。

▼めんどくさいことに、私は立ち向かってほしいと思う。一筋縄でいかないことを経験し、そして、クリエイティブな仕事をこれからも死ぬまで続けたいのなら、面倒臭いことから絶対に逃げないことだ。逃げグセがつくと、何も作れなくなってしまう。

▼怒られないこと。まずはそんな理由でもいいので、面倒くさいことと向き合ってほしい。いつかその苦労が、自分の力になって返ってくる。向かい合うことの重要さは、そこにある。耐えていつか、耐えた分だけ強くなって、あとが楽になる。一応念のため言っておくが、根性論ではないので。断じて。

▼そんな意味も込めて業界の紹介しつつ聞きたくもない現実を突きつけたわけだが、最後に一言付け加えるのであれば、ラッキーと思うこと。めんどくさいと出会ったことを、巡り合わせたことを、ラッキーと叫ぶこと。この強がりが、意外と自分を慰めてくれる。仕事、頑張ろう。

筆者のプロフィール。
こんすけ

1989年(平成元年)、神奈川県生まれ。大学の建築学科を中退後、若干のフリーター生活を経てIT業界へ。IT営業を経たのち、もっと開発に近い現場での経験を求め、同じIT業界で転職。エンジニアではないが、営業経験を生かし、営業と開発の中間でディレクション業務をこなし、IT業界の抱える問題点について日夜研究中。好きなものは牛乳。